木を活かす エコ&ヘルシー

やすらぎの木の施設紹介

納得の園舎 岡部町 岡部聖母保育園

エントランスは直線と曲線で(北側外観) 大きな空間と木質床仕上げ
(2階医務室より1階保育室を見る)
築34年に、さよなら

取材地は志太郡岡部町の内谷地区、竣工した岡部聖母保育園(増田千江園長・園児60名)は昭和42年に開園し、平成13年6月で34年になります。
この間、「時々の要請から、何回か増改築を繰り返してきましたが、老朽化したこともあり、今回の改築となりました」(同園長)。

五感教育には、天然素材

敷地内に教会が隣接する同園では、生まれつき子どもが持つ創造性や自主性を重んずるモンテッソーリ教育とカトリック精神を密接に結びつけ、自然の法則に基づいた五感重視の方針を掲げています。
 この保育方針を実現するため、今回の施設整備にあたっては木材等の自然素材を優先的に取り入れた木造園舎として計画が進められました。

適所適材の施工

さて、木造を中心に各施設を見てゆくと、まず目につくのが在来工法の格調高い瓦葺き和風建築の食堂・物販棟です。なかでも食事処には、末口40cm・7m の丸柱が通しで、末口45cm・9mのタイコ梁が各々安倍ヒノキで施工され、2階40帖の団体用客間をガッチリ支え、階段もケヤキで美しく仕上げられました。また物販棟では、8mの安倍ヒノキの登り梁、軒桁には井川産マツのタイコ梁がボリューム感タップリに使用されました。
一方、体験工房には構造用LVL(単板積層材)による木質ラーメン構造が採用され、在来とこのラーメンの新旧木造の対比にも興味深いものがあります。

ローコストで、大きな空間

「可能な限り柱や梁をあらわすことにより、木造ならではの暖かさ、やわらかさを表現した。また、常に子どもたちの活動を意識し、様々な特長を持つ空間を連続させた」(設計事務所)というプランに対し、「限られた予算のなかで大きな空間が表現でき、間取りや収納などにも様々な工夫を凝らしていただき、予想以上の仕上がりで大満足」と園側は納得の様子。
新園舎を活用したクッキング保育、たて割り混合クラス等、本園独自の活動がこれまで以上に活発に推進されることが期待されます。

施設の概要

所在地 志太郡岡部町内谷581-2
構造・規模 木造2階建て
建築(延床)面積 490.61(533.95)㎡
1階: エントランス、保育室5室、応接室、厨房、オープンスペース、図書コーナー 外
2階: 職員室、医務室、休憩室 外
総工費 118,000千円
設計・監理 (株)ICD建築設計事務所 (東京都)
施工・建築 静鉄建設(株) (静岡市)
※広報もくれん平成13年4月号にて紹介。施設名、人名、データ等は全て取材時。

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