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周辺の環境に調和する外観 | |
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ゆとりのホール | 大架構のアリーナ |
取材地は「箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ」と源実朝の和歌にも詠まれた熱海市(川口市雄市長)の初島。東西約1km、南北約600m、熱海港から約10kmの相模湾に浮かぶ小島の玄関口、初島港に隣接して市立初島小・中学校(佐野かほる校長、児童11名、生徒4名)が建設されました。
今回の改築は、昭和32年に建てられた前校舎の老朽化にともなうもので、「子どもたちに豊かな環境を与え、のびのびとした学校教育の充実を図る」(同市教育委員会)ことが基本理念です。
また初島の自然環境との調和を図り、木造のぬくもりをいかす等の基本プランのもと、別表のような小・中併設校として整備されたものです。
まず目をひくのが、周辺の松林と調和した緑色の屋根と三角のトップライト、広々としたテラス、木肌の外壁などペンションと見紛うばかりの素敵な外観です。
当施設は「校舎棟と体育館棟に2分されますが、構法の特異性ゆえ、日本建築センターの構造評定を受けた」(同市建築住宅課)建築技術上も興味ある施設となっています。
校舎棟には房総半島までワイドに遠望できるロフト(展望台)や旧校舎のイメージを残したふれあいの場としてのホールを中心とする教室配置、教員と児童・生徒が一同に会する食堂など、ゆとりと変化のある空間づくりも実現されています。
一方、体育館棟は大断面集成材が使用され、雨の日でも球技が可能な大きな空間が確保されました。
平成6年の夏に大型リゾートホテルが完成し、観光民宿と漁業の島にも少しずつ変化の兆しが見えはじめています。
149世帯、268名(平成9年4月末現在)全島民の生涯学習の拠点として、また義務教育を終え島を離れる子どもたちの心にも大きな思い出を残す学び舎として、長く長く愛され続けてほしいものです。
所在地 | 熱海市初島219 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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構造・規模 | 木造一部RC造・2階建 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
面積表 |
普通教室3室、特別教室6室、会議室 外 (2)普通教室2室、廊下 (3)アリーナ、倉庫、玄関、WC |
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総工費 | 601,932千円 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
設計・監理 | (株)野田木内一級建築設計事務所 (東京都) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
施工 |
建築 / (株)石井工務店 (熱海市) 電気 / (株)山田電工社 (熱海市) 給排水 / (株)三ッ星工業 (熱海市) 空調 / 山田冷機工業(株) (熱海市) |